医学を志した瞬間 ~父の闘病とわたし

学生時代、図書室の本を読み切るほど、読書に夢中になっていたわたしですが、それと同じくらい好きだったのが「英語」でした。
今でこそ、インターネットが当たり前の時代となり、SNSでは様々な国の情報が、いいことも悪いことも瞬時に入ります。当時は外国の方と接する機会は、ほとんどありませ
んでした。
わたしにとっては、テレビアニメの『アルプスの少女ハイジ』を見て、スイスに夢中になったのが、外国への憧れの原点だったかもしれません。
小学校では、近所に「日本一輪車協会会長」のイスラエル人一家が引っ越してきて、仲良くなり、外国との垣根を感じなくなりました。
学校の教科書や副読本の丸暗唱では飽き足らず、次にわたしが夢中になったのは、「タイプライターで英文を打つこと」でした。
タイプライターなんて、なんだか時代を感じますね。
その頃ちょうど、母の知人からタイプライターをもらい、パンチングのカタカタがとても楽しかったので、色々打ってみたくなり、アメリカ大統領・リンカーンの主任演説の英
文やキング牧師の演説の英文をカタカタ打っては、それらを暗唱して、英語を楽しんでいました。
そもそも、「語学」自体に興味がありました。
英語以外では、語学のラジオ講座を聞いて(だいたい初めの一か月程度でしたが)、「こんにちは」「さよなら」「ありがとう」は、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア
語などで、一通り言えるようになりました。

続きは著書で